IPSMを使うために必要と思われる、最低限の内容をまとめたマニュアルです。

 一緒に使用するソフトウェアについては、FreeBSD版Linux版を用意しています。


IPSM(ベータ版)の簡単な説明

作成:1998年9月20日 JK1MLY・稲葉


 PRUG96プロジェクトで領布したベータ版のシステムは、下のように簡易防水のケースに入っています。そして中にはスペクトラム拡散の無線機の他に、IPSM(IPシールドマシーン)と呼ばれる部分が、1枚の基板として入っています。この基板の上で色が一部違う(明るい)ところは、NE2000互換のイーサネットカードです。その上に見えるのがスイッチング電源で、無線機およびIPSM,イーサネットカードに+5Vを供給しています。

 ケースのフタ下側に書かれた番号は、配布時に取り付けてあるイーサネットカードのMACアドレスです。実際のベータ版ではIPSMの基板に貼り付けてありますので、ケースを開けて確認して下さい。

 このIPSMには3つのLEDと1つのスイッチが付いています。

 LEDは下の図で上から、点滅により動作中を示す赤いLED、信号を受信していることを示す緑のLED、電波を出していることを示す赤いLEDになります。

 スイッチはテストを行うときに使用するもので、通常はLEDのある側(下の図だと下の方向)に倒しておきます。IPSMの基板は前出の写真のように、裏面が手前になるよう実装されています。

ブートROM

 まだベータ版であるため、何らかの不具合が発見された場合には、ブート用のROMを交換して頂く可能性があります。この場合には図に示したROMを外し、新しいプログラムの書き込まれたROMを、慎重かつ確実にソケットに実装して下さい。

 このROMは起動時にサーバからソフトを得るためのプログラムなど、ブート時に必要な機能が入っています。

 9月20日の時点でVer1.5です。9月はじめに配布されたベータ版は、システム安定のため変更を行って下さい。ROMのデータは下記にあります。

http://sato-www.cs.titech.ac.jp/~sfunada/ipsm/bootrom.html

イーサネットカード

 サーバとの通信は全てイーサネットを使うため、このインタフェースとしてIPSMの背面側に、イーサネットカードを実装します。

 このカードはNE2000互換のISAカードであれば、基本的に動作するハズですが、配布時に取り付けられているカードなど数種類しか動作確認はしていません。もし新しく別の種類のカードを使ってみて動いた場合には、メーカや型名などを知らせて頂けると助かります。

テストモード

 テストモードは連続的に電波を出すことが可能で、これにより対向局との間でアンテナの向きを調整する時などに使えます。

 スイッチをLEDのある側にしておき、電源を入れるとテストモードで動きます。次にスイッチをLEDのない側にすると、送信と受信のLEDが同時に点滅し、テストモードでの送信を開始します。受信状態に戻したいときは、スイッチをLEDのある側にします。

 受信側のLEDの点灯(点滅)状態を見ながら、互いに連絡を取りアンテナを回してビームの方向を合わせて下さい。

機能の拡張

 ベータテスト用に配布したIPSMの基板には、部品の実装はありませんが幾つか機能を拡張するため、基板上にパターンが設けられています。

 今回のシステムではルート製の無線機を使用していますが、FSKなど他の無線機を接続することが可能なように、図中のコネクタ2が設けられています。またZ80により制御されるパラレルポートも設けられており、これらを必要に応じて活用していくことが可能なようになっています。


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