書き始め:1999.Mar.13
1994年のハムフェアでjnet・寺子屋をインストールするためのFDを領布した。その時にJK1FNL小林さんが書かれた「TCP/IP・寺子屋インストールマニュアル」を元に、インストールに関してまとめました。しかし、それ以降は全くドキュメントを整備していない状態でした。
このところ「パケット無線&TCP/IP」(著者:小林直行)の影響か、何人の方から質問のメールを頂いたり、また稼働させていた我が家のPC-9801のHDDが故障し復旧を行なったりと、マニュアルの整備が必要と思うことがありました。このため現時点での最新版へとアップデートすることにしました。
基本となるファイルは下記からftpすることで得られます。これは前述したハムフェアで配布したものと同じであり、これだけで寺子屋を動かすのに必要なソフトウェアは揃います。但し配布時に安定していたバージョンであり、その後の開発に対応していません。
ftp://ftp.prug.or.jp/pub/hamradio/jnetcex/JNET-PAC/
ここに入っているgo.batを利用し、下記のように実行することでファイルの解凍が行われます。ただしlhaにて解凍を行いますので、パスの通ったところにlhaがあることが必要です。
go drv1 drv2:drv1コピー元,drv2コピー先のドライブを指定)
現在の最新版は下記から得ることが可能です。新しいバージョンで動かしたいソフトをダウンロードして下さい。
できればjnetcexとsoroban,mcdは更新した方が良いと思います。
また古いPC-9801などを使おうとすると、ユーティリティなどが手元に無いことがあるかと思います。そのような場合には下記を参考にして下さい。
新しいjnetとsorobanの組み合わせにより、nntpを使ったニュースの転送が可能になりました。これによりinnなどによりサーバとニュースの交換が可能です。
この機能を使用する場合の設定について以下に示します。なお他の設定については変わりませんので省略します。
またKPC-4JやASM-miniのようなTNC、イーサネットカードと言った、その後に普及した機器の設定など、不足していると思われる情報も追加してあります。
a) nntpサーバを動かす設定です
start nntp
b) KPC-4Jなど2ポート以上のTNCを使う設定です
attach asy AUX 0 ax25 bel1 2048 256 9600 2048 jk1mly-1
attach asy AUX 1 ax25 bel2 2048 256 9600 2048 jk1mly-2
PC-9801のシリアルポート(AUX)にKPC-4Jを接続し、ポート1にbel1というラベル、ポート2にbel2というラベルを付け、各々jk1mly-1とjk1mly-2というコールサインで使用します。シリアルポートの速度は9600bpsとなります。
c) ASM-miniなどをパラレルポートに接続する設定です
attach asm 00 02 ax25 asm1 PRN98 256 200 2048 jk1mly-3 0
PC-9801のパラレルポートにPRN98経由でasm-miniを接続し、asm1というラベルを付け、jk1mly-3というコールサインで使用します。
d) イーサネットカードをパケットドライバで使う設定です
attach packet 60 eth1 2048 1500 2048
PC-9801の拡張スロットにイーサネットカードを実装し、eth1というラベルを付けて使用します。
パケットドライバの設定は、使用しているカードに付属のドキュメントを見て下さい。パケットドライバが新しくなっている場合もありますので、メーカのWebページを確認した方が良いと思います。
e) 一定の時間毎にnntp kickを行う設定です
nntp timer 1200
1200秒(20分)ごとにバッチファイルを確認し、nntpでの転送を開始します。
f) ASM-miniの動作を決める設定です
ifconfig asm1 address 172.16.1.113
IPアドレスを172.16.1.113にします
param asm1 6 3
変調を4800bpsにします(2だと7200bps)
param asm1 1 60
TX Delayを60msecにします
param asm1 2 31
Persistの値を32/256にします
param asm1 3 10
10msecにします
param asm1 6 30 35
変調のボリューム値を35にします
nntpで転送するためのバッチファイルのディレクトリの設定です
directory Terakoya.batchdir /spool/batch
directory soroban.batchdir /spool/batch
jnetを起動するドライブの\spoolを、ニュース関係のファイルが使用し、\spool\batchに転送処理のためのファイルを置きます。
これ以外にnntpを使用する場合にnetwork.defの設定と関係なく、jnetcexが/spoolを参照するようなので、SpoolDirを/jnet/spoolから/spoolに変更しています。
a) nntpで転送
host.tama.prug.or.jp:ampr,tama:A:host.nn
host.tama.prug.or.jp:rnews:host:m:65536:10
hostに対して、ampr,tamaといったニュースグループをnntpで転送します。ただし一回の転送で扱うのは10ファイルまでとし、1つは64kバイトまでです。
b) smtpで転送
host.tama.prug.or.jp:ampr,tama:F:host
host.tama.prug.or.jp:rnews:host:m:65536:10
従来と同じようにrnews形式のメールで送る場合です。
一般的なターミナルソフトを使い、TNCに以下のコマンドを入力し、jnetを起動する前にkissモードにします。これ以外に通信速度、フロー制御等も必要に応じて設定して下さい。
KISSモードから抜ける時にTNCの設定は初期化されます。このため必要な場合には、現在の設定をバックアップしておいて下さい。
KISS ON
RESTART
これによりTNCが自動的に再立ち上げされ、その際にLEDが3回ほど点滅します。この後は通信ソフトからの入力は受け付けられませんので、そのまま通信ソフトを終了させて下さい。
KPC-4Jなど一部の機種では手順が異なりますので、TNCのマニュアルで確認して下さい。
kissモードのTNCを普通の状態に戻すためには、jnetが動いている時に次のコマンドを入力して下さい。これによりTNCがリセットされて再起動します。
param ax0 255
ax0とラベルを付けたTNCを初期化します
jnetが使えない場合には、次のどちらかでTNCを初期化します。
ターミナルソフトからバイナリで次の3バイトを送ります。これはjnetからparamコマンドで初期化したのと同じです。
C0, FF, C0
バイナリでデータを送ることができない場合には、TNCのケースを開けるとバックアップ用の電池が入っており、その近くにリセット用のジャンパがあるので、それを使用して初期化する必要があります。細かな方法はTNCのマニュアルに記載されていますので、そちらを参照し間違った操作をしないよう注意して下さい。
実際に使用している設定ファイルです。各ソフトに添付されているファイルや、以上の説明では分かりにくい部分がありましたら、これらのファイルを参考にして下さい。
ファイル名 |
autoexec.net |
network.def |
sys |
mail.cf |