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CQ出版のトラ技に付録で付いていた基板で実験してみました。 トラ技に付属した基板で。もともとはencafeのエンジニアアワードというのに応募するために作ったものですが、こんな感じで作ることで低い周波数なら無線機が作れるのでは無いかと思います。
はじめに トランジスタ技術2008年8月号の付録基板を使用し、実装されている78K0マイコンの持つ機能を活用することで、外付けのハードウェアを用いずにマーカ発振器を製作しました。( ソースコード) この発振器は100k./250k./1MHzの出力が可能です。また出力信号を1kHzでAM変調することと、断続的な出力にするためのキーイング機能を持たせ、信号源として使用する際に便利なようにしました。
使用機能 付録基板に実装されている78K0マイコンには、キャリア・ジェネレータ・モードという赤外線リモコンの信号を生成するのに適した機能を持っています。 このモードで動作させることで、8ビットタイマH1でキャリアを生成し、それを8ビットタイマ51により制御することが容易に実現できます。 赤外線リモコンでは40kHz前後のキャリア周波数ですが、これを高い周波数に設定することで使用しています。
回路構成 マーカ発振器の回路構成は図1のようになり、各部をマイコンの機能により実現しています。 分周回路 マイコン基板で使用している周波数は16MHzであることから、これを1/16分周することで1MHz、さらに分周することで250kおよび100kHzを取り出すことができます。 この分周に8ビットタイマH1を使用し、出力する周波数によりレジスタの値を変更しています。 変調回路 AM変調ではキャリアの振幅を変化させる必要がありますが、簡易的に行うためON/OFFの2値で変調します。このため矩形波で変調を行ったことと等価になっています。 変調をかけるための周期を作るため、8ビットタイマ51を使用し、出力するトーンの16倍の周波数で割り込み処理しています。 図1 回路構成 キーイング回路 変調回路で使用している割り込みで、カウンタを動かしていき、その値での信号ON/OFF、あるいは別に用意したON/OFFパタンを読み出すことで、AM変調またはキャリア信号をキーイングしています。 操作回路 変更が必要なのは周波数と、信号の形式です。 このため2つのプッシュスイッチを実装し、それをI/Oポートから読み込みます。 入力ポートの内蔵プルアップ抵抗をONとし、外部のスイッチでGNDへ落とすことで、外付けする部品を減らしています。 スイッチのチャタリングはソフトウェアにより取り除き、押されたことを検出しています。 いずれもスイッチを押すことにより、順に動作が変わるようにしています。
表示回路 表示も操作と同様で2種類のことを示すため、2つの2色LEDを使用し、赤/緑の点灯に加え、両方を点灯した橙を加え、動作状態を示すようにしています。 LEDはI/Oポートから電流制限用の抵抗を介して駆動しています。赤と緑が2本ずつで計4本であることから、マトリクスを組んでも必要なI/O数が同じため、個々に制御する方式としています。 出力信号に応じて図2に示すよう変化します。 図2 動作モード
動作確認 製作したマーカ発振器(図3)を受信機に接続し、動作することを確認しました。その中の1つ1MHzでAM変調した際の測定波形について、キャリアのON/OFFされる状態を図4に示します。サンプリング周波数が低いため、キャリア波形は正しく取得できていません。 発振器の出力を受信機IC-R100に接続して受信し、復調した波形を図5に示します。 図3 外観 図4 出力信号 図5 復調信号
まとめ 今回は78K0マイコンを使用することで、多機能なマーカ発振器を製作することができました。 同様のことを実現するためには、水晶を発振させるための回路、それを分周するロジックIC、さらにAM変調するためのトーンを発生させる発振回路、キャリアを変調するための回路などが必要になります。 このことから昨今のマイコンを使用した製作の有効であることが分かります。
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